Interop Tokyo 2005
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Daily Report(6月9日後編)
さらに注目集まる特別講演・基調講演 併催イベントも盛況!

2日目後編は、注目の集まるGoogle社の特別講演や、併催イベント「Network Computing 2005 Summer」、各パビリオンの模様などをレポートする。

特別講演レポート Googleベルコビッチ氏、「ユビキタス世界でも、情報をアクセス可能で有益なものに」

「Google関係者の講演が聞きたい!」というリクエストに応えて実現したのが、今回の特別講演。Google. Inc エンタープライズ部門 プロダクトマーケティングマネージャーのデイビッド・ベルコビッチ氏が「ユビキタス世界に向けてのインターネット技術」と題して講演を行い、大勢の聴衆が熱心に耳を傾けた。
まずベルコビッチ氏は、休暇先のコスタリカでもe-mailを利用できたことを例に「インターネットと常に繋がっている」社会はすでに実現しつつあると指摘。さらに、CPU・ストレージなどのハードウェアの価格が、この20年あまりで劇的に低下したことによってGoogleの設備が日々増強されていることに触れ、Webでは「質問に対して簡単に答えが得られる力」がもたらされた、とした。関連して、コンテンツの内容に応じて表示される広告の内容も変わる「Google AdSense」が、コンテンツ作成者の意欲向上に繋がっていることを主張した。
その一方で、WWW上のものは容易に検索できるようになったことに対して、自分が作成したドキュメントや、イントラネット上のファイルを検索することが困難になっているという「パラドックス(逆説)」が発生していることを指摘。
講演の最後には、Googleのミッション「世界中の情報を体系化し、アクセス可能で有益なものにすること(to organize the world's information and make it universally useful and accessible)」を実現するための新たな試みとして、イントラネットにGoogle検索エンジンを導入して先述の「パラドックス」の解消を図る事例や、書籍の本文をスキャンして検索可能にする「Google Print」などが紹介された。


開場前には長蛇の列。講演に対する期待の高さをうかがわせる。

Google. Inc エンタープライズ部門 プロダクトマーケティングマネージャーのデイビッド・ベルコビッチ氏。WWW以外でも検索ソリューションを提案。
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見た目は一見休憩所 実態は色々挑戦している「ShowNet Cafe」
Interop会場の中で休憩所的なイメージを持つのが「ShowNet Cafe」。ドリンクが注文でき、設置されたPCでWebやShowNet TVのストリーミング配信を見られるなど、ネットカフェを意識したつくりだ。前日のレポートで紹介した「グランツーリスモ4」のコンソールが置いてあるように、実はShowNet CafeもInteropの展示のひとつなのだ。
ShowNet CafeにあるテーブルにはノートPCと小型の本体を持つデスクトップPCが数多く並んでいる。昨年までは普通のPCが置かれていたのだが、今年は一味も二味も違う。これらのPCはすべて本体内にHDDを搭載せず、ブートするOSやアプリケーションなどは別の場所で管理しているクライアント型に特化したPCだ。ノートPCはLINUXをネットブートしており、本体内にはHDDは搭載されていない。

まずはシン・クライアントマシン。本体はWindowsCEベースで起動し、ShowNet Cafe内に用意されたサーバーからWindows Server 2003 Standard Editionをブート。受付でもらえるIDとパスワードを使って認証を行う仕組みで、会期中はブックマークなどのデータを保存することができる。

次に、シンクライアント同様に小さなボックス型の筐体を持つこのPCは、サーバーラック内に本体部分をブレードで収納したブレード型PC。ボックスはキーボード/マウスの入出力とモニタ出力の部分を担当する。こちらはWindows XPで動作し、ログオフすると自動的にデータが初期化される。
 
ShowNet Cafe内に設置された通称「無菌室」。ShowNet Cafeには有線のLANポートも用意されており、来場者は自由に利用できる。が、Windows Updateを適切に当てていないとネットワークに接続したとたんにウイルスなどによる攻撃にあう可能性があるので、こちらでアップデートしておこう。実はケーブル単位でVLANを分けており、無菌室に接続したもの同士の院内感染(=ウイルス感染など)が起こらないようになっている。
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基調講演レポート5「これからは、アップロードもブロードバンドで」
展示会会期2日目、特別講演を挟んで2番目の基調講演は、東日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 ビジネスユーザ事業推進本部長の��島元氏が「ブロードバンドネットワーク・サービスの展開について」と題して講演した。
最初に、ブロードバンドの価格が下がり、普及が急速に広がっている現状を紹介した上で、ブロードバンド普及すると、世の中はどのように変化するか、いくつかの仮説を提示した。
そのうちの1つが、「ブロードバンドの普及でパラダイムシフトが起こる」というもの。各作業工程が別々の場所で行われることが多いアニメーションの制作や自動車の生産を例に「従来は、(バイクで原稿を運ぶ必要があるなどの理由で)1つの作業が完了しないと次の作業ができなかったが、ブロードバンドで情報共有することで、複数の工程を並行して行うことができ、各工程の状況をお互いが把握できるようになるため、品質向上が期待できる」と主張した。

東日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 ビジネスユーザ事業推進本部長の��島元氏。「これからはアップロードもブロードバンドで」と強調。
ライフシーンにおいても、大きな変化が訪れるという。インターネットの普及で、商品を購入する前に商品情報を検索する消費者が9割にも達し、オンラインでの「口コミ情報」が信頼されるようになってきていることを紹介した上で、消費者の発言力が強くなっている、とした。
また、個人の情報発信形態も、文字主体のblogだけでなく、音声で発信する「ポッドキャスティング」など多様になりつつあると指摘し、「これからは、アップロードもブロードバンドであることが大事」と強調した。
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SUN Micorosystems提供の併催イベントも要チェックNetwork Computing 2005 Summer

6回目を迎えるNetwork Computingは、Sunのビジョン、戦略、製品などを紹介するベンダーイベント。今年はInterop Tokyo 2005のSunブース内での開催となり、Interop来場者は無料で参加することができる。
今年のテーマは、ズバリ「IT基盤強化」。ユビキタス時代のネットワーク・コンピューティングの姿と、それに向けたSunのストラテジーを、3日間、21のセッションで紹介している。ここでは、2日目のジェネラルセッション「Network Computingの将来像〜ユビキタス時代のIT基盤とは〜」をレポートする。
このセッションのスピーカーは、サン・マイクロシステムズ フィールド・マーケティング統括本部 ストラテジスト 野瀬昭良氏。野瀬氏は、今後企業のコンピュータシステムが抱えている問題のうち、特に重要なのは、セキュリティ、増大するデータのマネジメント、運用コストの3点だという。
その背景として、ネットワーク・コンピューティングのこれまでを振り返り、「はじめは、『コンピュータのインターネット』でしたが、これが『コンピュータを内蔵したモノのインターネット』になり、今後は『モノのインターネット』になります」と野瀬氏。「モノ」自体が、RFIDなどによってインターネットにつながるようになると、アクセスラインの上り/下りの帯域が逆転し、「兆」単位のノードからデータセンターに対して小規模なデータがアップロードされるようになるという。また、プロビジョニングの進化により、データセンター内のトラフィックが激増する、とも。
また、利用者、開発者、サービス提供者に加え、システム運用管理者の視点から、プラットフォーム選択の重要性を解説。Javaの優位性を強調した。
冒頭の3つの課題を解決するSunのテクノロジーについて、Solaris10、Sun Ray Thin Client、Sun DLM 診断サービス、そしてChip Multi Threading(CMT)プロセッサのNiagaraシリーズなどをアピール。中でもCMTの優位性として、「これからは『対消費電力性能』や『対床面積性能』といった指標が出てくるはずです。これに対するCMTの優位性は、非常に大きい」と述べ、高い環境性能を挙げた。


Sunブース内で開催された「Network Computing 2005 Summer」。

サン・マイクロシステムズ フィールド・マーケティング統括本部 ストラテジスト 野瀬昭良氏。
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密接にリンクする3つのテーマ ユビキタスネットワークパビリオン,エンベデッドパビリオン,IPv6 Ready Logoパビリオン
「ユビキタスネットワークパビリオン」は、誰が何処ででもネットワークに接続して利用できるユビキタスネットワークの実現に向けた最新技術/ソリューションを展示している。昨日のレポートで発足についてお伝えした「ユビキタスネットワーク連携協議会」の成果発表の場でもあり、参加企業/団体はそれぞれ「超小型チップネットワーキング技術」「ユビキタスネットワーク認証・エージェント技術」「ユビキタスネットワーク制御・管理技術」をテーマに、実際に触れる形でのデモンストレーションを行っている。
ユビキタスネットワークパビリオンでは、同連携協議会に参加する企業に加えて参加大学の研究者がデモンストレーションを行う。実際に触れるものが多いので、ぜひ声をかけて体験してほしい。
「エンベデッドパビリオン」では組み込み系のプロダクトを開発している企業の展示がメイン。組み込まれての使用が前提のため製品を使っていてもなかなか目にする機会が少ないだろう。しかし携帯電話やモバイル端末、情報家電などあらゆる分野で活用される非常に重要な製品群だ。前段のユビキタスネットワークパビリオンで紹介されている各種ソリューションもこのエンベデッドパビリオンに参加する企業の力があってこそだ。
パビリオン内には参加協力企業/団体のブースが用意されている。それぞれのブースには開発した製品とともに開発者が立ち、質問に答えてくれる。
ユビキタス技術や組み込み技術は、次世代のインターネットで求められるIPv6への対応が必須。これはInteropに参加する企業や団体すべてに共通するテーマでもある。「IPv6 Ready Logoパビリオン」は、IPv6に対応したホットな製品を一度にチェックできる場所だ。機器によっては別ブースで大きく展示している場合もあるので、まずはIPv6 Ready Logoパビリオンに足を運び、気になる製品をチェックするとよいだろう。
IPv6 Ready Logoパビリオンは参加企業や団体の対応製品を個別に見られるゾーン、IPv6普及・高度化推進協議会のゾーン、そして参加各社の共同展示ゾーンの3つに分かれている(写真奥から)
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来年のコンファレンス・プログラムを占うプログラム委員会セッション(パート2)
 
プログラム委員会セッション2日目は昨日のメンバーと一部入れ替えがあり、Interop日本・アジア プログラム委員会 議長の後藤滋樹氏と同副議長 江崎浩氏、メディアエクスチェンジ株式会社 吉村伸氏、シスコシステムズ株式会社 大和敏彦氏、奈良先端科学技術大学院大学 情報科学センター 教授 砂原秀樹氏、NEC ブロードバンドビジネスユニット NTT営業事業部 本林良太氏、日本IBM株式会社 先進システム事業部 中原道紀氏の7名。昨日のセッション内容を下敷きにデータの補足や新たなテーマなど盛りだくさんの内容となった。
まず後藤氏がパート1で議論したものを含めて、現状のインターネットにあるトピックスについて次の様なものを示した。1)IP電話:緊急通信や脆弱性の有無について、2)デジタル放送:インターネットと技術的親和性はあるが融合するのか/できるのか、3)P2P技術:技術的に見ればP2Pの利点は明らかだが、管理者にとっては厄介もの?、4)日本と米国:この2国だけでなく世界中でつながることで地域性や国民性による違いがある。これらは一部セッションで取り上げたものもあるが、来年までにコンファレンスとして取り上げられるかどうかが不透明なものだと言う。
これを受けてまず江崎氏は「ストリーミングでリアルタイムにこだわっているが早送り伝送こそがほしい。HDTVの品質が利用できる技術が成熟することで、映画などは見るだけのものからインタラクティブ性を持たせたものが増えるだろう。実際にハリウッドではゲーム制作会社を取り込む流れがある」とデジタルの映像技術の方向性について視聴者的な立場から語った。
吉村氏は関連する話題として「10Gbpsといっても1Gbps×10と100kbps×100,000、1kbps×10,000,000とでは後ろへ進むほどネットワークノードに対する付加のかかり方が大きい。これは当然コストに反映するので、データの総量は同じでもトランザクション/メッセージベースはコストが高くなり、映像は低くなる。価格支配力がコスト単価が低い方に合わせられるときに信頼性は確保できるのか」とインターネットを使ったデジタル放送化についての問題点を指摘した。またひとつの解決策として「家に来ているファイバーにWDMを入れ、映像系とコミュニケーション系、つまりバルクストリーム重視と低遅延インタラクティブ性重視の2つに分けたい」と続けた。
Interop日本・アジア プログラム委員会 議長の後藤滋樹氏、同副議長 江崎浩氏、メディアエクスチェンジ株式会社 吉村伸氏、シスコシステムズ 大和敏彦氏(左から)。
大和氏は現在の放送分野における収益モデルと、それをインターネット放送に持ち込んだ場合にどうなるかについて解説した。また日本における著作権法の問題点として再利用がしにくい点に着目。今後日本ではどのように著作権を扱っていくか/その議論を起こしていくかについて問題提起を行った。
砂原氏は携帯電話やIP電話の緊急通信の高度化について語る一方で、ゲーム機の無線LAN搭載による新たなコミュニケーションの可能性を紹介。デジタル放送については「放送そのものはメディアのひとつに過ぎず、ほかのメディアと融合することで遊び方は増える。2chの実況ch板を見ても分かるように、遊び方を見出すのは利用者だ」と複数のサービスの連携についても触れた。
本林氏はP2P技術の現状と今後について語った。「これまでのインターネットに比べるとP2Pには新規性があり、技術的にP2Pの利点はあきらかです。ただしトラフィックの問題については異なるISPのユーザー間で不利益を被る可能性がある」と発言されたところで江崎氏/吉村氏から「トラフィック占有の問題は取り上げるデータの違いである」と突っ込みが入る。江崎氏は自身で入手したデータを元にして「P2Pの議論の中で特定のユーザーが不当にトラフィックを占有しているといわれるが、実際にユーザーごとに計測した結果としてはユーザー数は適度に分散する」と指摘。続けて吉村氏が「P2Pのお話は一部のデータを切り出して報道されてしまったため生じた思い込み。ここに来ている皆さんは今忘れてしまいましょう」と呼びかけた。
最後に中原氏はGIO(IBM Global Innovation Outlook)の資料を基にして、今後のライフスタイルやこれからの世界がどうなるかという議論の結果を紹介。1)ヘルスケア、2)政府と個人、3)仕事とライフスタイル、の3つが大きなテーマになるとのこと。
質問コーナーではで飛び入りでInterop実行委員会の高橋徹委員長が参加。最後に砂原氏が「作り手と受け手の間に入っている人が儲けようとしているため、さまざまな所で問題が起こってしまう。いろんなことを総合し、そこから一歩引いて見て改善すべきところは改善する姿勢が重要」と語り、今年のプログラム委員会セッションは終了した。
パート1と2合わせて3時間のセッションだが、取り上げられた題材はこれからのインターネットを考える上でも非常に難しいテーマが多く含まれている。このセッションの内容が来年のInterop Tokyo 2006のコンファレンスでどう取り上げられるかに注目が高まる。

奈良先端科学技術大学院大学 情報科学センター 教授 砂原秀樹氏、NEC ブロードバンドビジネスユニット NTT営業事業部 本林良太氏、日本IBM 先進システム事業部 中原道紀氏(左から)。

飛び入り参加したInterop Tokyo 2005 実行委員長 高橋徹氏。
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