Interop Tokyo 2005
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Daily Report(6月8日後編)
ShowNetウォーキングツアー、Best of Show Award授賞式など注目のイベントが目白押し!

時間が経つごとに熱気を増す幕張メッセのInterop Tokyo 2005の展示会場。8日のレポート後編では、3本目の基調講演、ShowNet ウォーキングツアー、コンファレンスではプログラム委員会のセッションを紹介。さらに、最高の出展製品・サービスに贈られるBest of Show Awardの授賞式の模様をお届けする。

ニッポン経営のDNA復権!!日経ベンチャーからのエール

これからのインターネット環境を支えるべく新しい製品やソリューションを提供し続けるベンチャー企業。IT産業の活性化のためにも大きな期待が寄せられる企業を集めた「ベンチャーパビリオン」のステージにおいて、日経ベンチャー 編集長の奥寺憲穂氏によるプレゼンテーションが行われた。まず奥寺氏は現在不況といわれているものは不況ではなく、「苦境」であると語る。「現状は売れるものと売れないものがはっきりした状態で、売れているものの市場は決して狭くなっていはいない。確かにバブル時期に比べれば不況と言えるかもしれないが、これだけ物が売られていて買うことができる実態がある。『不況』という人の本音は『バブルが懐かしい』ということだ」とばっさり。
「それをしっかりと認識した上で、これからの時代に対応していくことが必要だ。今はオーバーキャパシティの時代で、いらないものは買わないという消費者がほとんど。安くても高くても必要でなければ買わないという時代。そこで求められるのは会社が市場の変化やスピードについて行くことだ」と奥寺氏は言う。現在さまざまな分野で1.企業の社会的責任、2.顧客満足、3.企業統治−−この3つの要素が求められている。しかしこれらの事柄は昔の日本の商売人であれば1.企業は社会の公器なり、2.お客様第一主義、3.必ず後ろに怖い人を置け、という松下幸之助氏の言葉を借りるまでもなく、誰もが守っていた考え方だ。奥寺氏の言葉はこれから日本のインターネットを支えるベンチャー企業の人達への強力なエールとなっただろう。


日経ベンチャー 編集長の奥寺氏。「不況」といわれる現状は多くの人にとって「苦境」でしかないと力強い言葉で語った。

日本の企業が求められているものは実は日本がこれまでの経営の中で実践してきたものそのまま。今本当に必要なのは「ニッポン経営のDNAの復権である」と奥寺氏は言う。
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基調講演レポート3 ソフトウェアだけが「バグ前提」なのは許されなくなる EIMでITインフラの有効活用を
3本目の基調講演では、コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル・インクCEO兼社長 ジョン・スウィンソン氏が登場し、「ユビキタスネットワーク社会の実現に向けて必要とされるエンタープライズITマネジメント」と題し、講演を行った。
最初にスウィンソン氏は、日本の消費者が製品に要求する水準の高さを指摘。製造業もそれに応えて高品質な製品を生産してきた一方で、その例外がソフトウェア産業だったと主張した。セキュリティパッチが頻繁にリリースされることを例に引き、「バグが含まれているのが、言い換えれば不良品なのが前提になっている」というのがその理由だ。
だが、ソフトウェアについても顧客の要求が高くなってきており、はっきりとした投資効果が求められるようになってきた、と述べた。

コンピュータ・アソシエイツ・インターナショナル・インクCEO兼社長 スウィンソン氏。ITインフラのトータルなマネジメントを提案した。
また、話題はITビジネスの環境変化の激しさにも及んだ。個人情報保護法などの新たな規制ができ、システム要件が厳しくなった結果、サーバーやストレージなどのITインフラが過剰に構築されているという。
このような状況への対策として、同社が提案する戦略"EIM(Enterprise Infrastructure Management)"が紹介された。これは「1. ビジネスプロセスの最適化システム 2. システムマネジメント 3. セキュリティーマネジメント」の3つを柱とするもので、NTTコミュニケーションズや日立など、国内での導入事例もあわせて紹介された。
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ユビキタスネットワーク連携協議会が発足 Interop Tokyo 2005で成果を発表
平成15年度からの総務省の施策「ユビキタスネットワーク技術の研究開発」を進めるプロジェクトとして、これまで3グループ12機関が技術課題に取り組んできた。昨年までに電子情報通信学会や情報処理通信学会などで発表を行ってきたが、より強力に研究を推進するため、各機関の代表研究者を委員とした「ユビキタスネットワーク連携協議会」を6月8日に発足すると発表した。
ユビキタスネットワーク連携協議会に参加する12の機関からNTTネットワークサービスシステム研究所の須永宏氏、KDDI(株)技術統轄本部 技術開発本部 開発推進部 大橋正良氏、大阪大学 サイバーメディア副センター長(教授)の下條真司氏、そしてInterop日本・アジア プログラム委員会 副議長 江崎浩氏が記者会見を行い、これまでの活動内容と今後のスケジュールについて語った。

写真左からNTTネットワークサービスシステム研究所 須永氏、KDDI(株)技術統轄本部 技術開発本部 開発推進部 大橋氏、大阪大学 サイバーメディア副センター長(教授)の下條氏、東京大学 情報理工学系研究科教授の江崎氏
江崎氏はこの協議会の委員長となる、東京大学 大学院情報理工学系研究科教授 青山有紀氏の代理として発足の趣旨を説明。さらに下條氏からは、これまで分かれて研究を行っていた3グループ、超小型チップネットワーキング技術/ユビキタスネットワーク認証・エージェント技術/ユビキタスネットワーク制御・管理技術−−のそれぞれの概要が解説された。大橋氏と須永氏からは、今年から平成18年にかけ、それぞれの技術の連携を進めるにあたってのスケジュールが解説された。また今回ユビキタスネットワークパビリオンでは連携に向けた一つの成果としていくつかの技術/ソリューションを発表しているとのこと。この協議会は平成19年の総合実証実験終了まで活動を続けていく。
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シナリオ無しの出たとこ勝負 プログラム委員会の強力セッション

Interopの中心人物であり、コンファレンスの内容を検討するプログラム委員である江崎氏が「自分でもセッションを行いたい」というのがこの「プログラム委員会セッション」のはじまり。他のセッションについては事前に取り上げる内容が決められているが、このセッションに限り開催時に一番ホットなトピックを中心に「それぞれが言いたいことを言う」コンファレンス中最も人気の高いもののひとつだ。
本年のスピーカーはInterop日本・アジア プログラム委員会 副議長 江崎浩氏、富士通 是友春樹氏、三菱電機情報ネットワーク 村木克己氏、メディアエクスチェンジ 代表取締役社長の吉村伸氏、NTTコミュニケーションズ山下達也氏の5人。まず最初は江崎氏のHotStageでのひとコマから。なんと江崎氏のPCがSpywareに感染していることが判明し「お前は専門家じゃないのか」と白い目で見られたとのこと。その後厳格な監視下におかれ、すべてのパケットをチェックされている状況だという。さらにセッション1時間前には別の感染が指摘された江崎氏。結局使っているPCに内蔵された無線LANのMACアドレスがプライベートアドレスになっていることが判明。「出荷時のアドレスも信用できない状況だ」とネットワークの問題へとすりかえた。
是友氏は次世代のルーター/スイッチのアーキテクチャ開発の方向性についての提案を行った。また、スパムなどのチェックにネットワーク資源が無駄に使われていることへの不満も漏らした。村木氏はインターネットの現状とこれからについて敢えて「素人として」の提言を行った。「世のため人のためなら私も払うものは払う。なるべく安くね」という言葉に一同が賛成した。
吉村氏は個人情報の取り扱いにはじまり、インターネットの緊急通信の実現や新しいIPアドレッシングの提案、さらにインターネット放送の問題点まで多岐にわたった内容を話した。一部内容は6月9日の同セッションのパートIIでも語られるとのこと。そして山下氏は今回ShowNetTVで行っている愛地万博との非圧縮HDTV接続についての解説に加え、デジタル放送の裏側について問題点や課題などを語った。
90分という限られた時間があるにも関わらず、それぞれが持ち寄るテーマにお互いが反応を返し、内容がどんどん変化していく。インターネットの現状をさまざまな点から見つめることができるようになる反面、これまで自分が使っているサービスの思わぬ問題点が明らかにされてしまう。深い内容の多いInteropのセッションの中でも正に一番の「濃さ」を誇る。インターネットを支える人々の本音を垣間見られるひとときだった。


Interop日本・アジア プログラム委員会 副議長 江崎浩氏、富士通 是友春樹氏、三菱電機情報ネットワーク 村木克己氏(左から)

メディアエクスチェンジ株式会社 代表取締役社長の吉村伸氏、NTTコミュニケーションズ山下達也氏(左から)
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普通に見てはわからないInteropの裏側へ招待「ShowNetウォーキングツアー」

Interopの根幹「ShowNet」は毎年日本のネットワークのさまざまな環境をテーマにし、最先端の技術を投じた強力なネットワークとして実現されている。この「日本最先端のネットワーク環境」の構築に携わる「NetworkOperationCenter」通称NOCメンバーが、製作者側の目から直接技術解説を行ってくれるのが「ShowNetウォーキングツアー」だ。ネットワーク技術に携わる人はもちろん、Interopの裏側を興味本位で見てみたいという人まで、毎年多数かつさまざまな来場者から人気を集めている。
今年は、IP-Communicationを中心としたAコースとセキュリティを中心としたBコースの2つが用意されており、期間中に11回ずつ、計22回のツアーが行われる。ツアーの定員は25名で、NOCメンバーとSTMメンバーが付き添いながら会場内を歩いて各技術のポイントを解説してくれる。参加者は約20分間のブリーフィングでShowNetの技術解説や歴史などのレクチャーを受けてから、いよいよ会場内へと進んでいく。
両コースはそれぞれメインとなるPODを中心にNSCやShowNetTVを巡り、最後にはエントランスにあるサーバー群へと足を進める。会場内に張り巡らされたケーブルがPODに集まり、さらにエントランスにあるサーバーへ。そして大手町とをつなぐExternal回線へと見ていくにつれて、会場に張り巡らされた超高速ネットワークがたったこれだけの光ファイバに集約されているのは不思議な感動を覚えるだろう。
会場内では特に詳しいNOCメンバーが先頭に立ち、各PODには役割や組み込まれた機能、思い入れのある設計ポイント、使われている新しい技術や提案したいソリューションなど、さまざまな内容について解説してくれる。PODの内部だけでなく、実は外部にも面白いものがひっそりと設置されている。解説パネルには書いていない不思議な装置など、スタッフだからこそ知っているポイントを聞けば、ツアー後の会場巡りがまた楽しくなる。ネットワーク技術に興味がある人はもちろん、Interopは初めてという人もぜひこのShowNetウォーキングツアーに参加してほしい。受付はHall3の2階にある「ShowNetウォーキングツアー受付カウンター」まで、希望コースの30分前までに集合しよう。お土産にShowNetの構築風景を収めた「テクニカルビデオ」を予約をして帰ってはいかがだろうか。


ShowNetウォーキングツアーで解説者としてガイド役を務めるNOCメンバー海崎良氏(右)と、ShowNet構築時の問題処理係に扮したSTMメンバー(左)。

各PODの天井のあたりに設置された回転灯。実はこれもれっきとしたネットワーク機器で、pingなどを打ってサーバーの状況をチェックし、異常があれば点滅やサウンドで知らせてくれるとのこと。会期中はここが異常を示さないことをNOCメンバーは祈っている。
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IPv6普及高度化推進協議会が記者会見「デジタル百葉箱」で災害対策を
Interop Tokyo 2005の後援団体であるIPv6普及高度化推進協議会が、「IPv6普及・高度化推進協議会アクティビティアップデート」というタイトルでプレスカンファレンスを開いた。同協議会専務理事の江崎浩氏が、IPv6の対応状況について説明を行った。
プレスカンファレンスでは、主にIPv6ネットワークを活用してビル管理システムの遠隔集中監視・制御を行う、「ファシリティーネットワーキング」が紹介された。従来は異なる仕様で行われていた作業をIP化することによって、大幅なコスト削減につながるという。
 

江崎浩 IPv6普及高度化推進協議会専務理事。IPv6の普及状況について語った。
「ファシリティーネットワーキング」からは、「LIVE E!プロジェクト」というプロジェクトも生まれた。同プロジェクトでは、低コストな環境センシングユニット「デジタル百葉箱」を学校や企業などに数多く設置し、環境情報を収集・活用することを目指している。江崎氏は「学校は、災害時の避難所になる。このような場所の情報をあらかじめ集めておけると、災害時に非常に役立つ」と、公共サービス面からプロジェクトの意義を強調した。同プロジェクトについては、会場内でデモを体験できる。
そのほかには、世界各地のIPv6への対応状況・IPv6 Ready Logo Phase 2の取得状況と、VoIP/SIP相互接続タスクフォースの状況について報告された。VoIP/SIP相互接続については、4月に異なる事業者間での相互接続検証試験が行われ、Interop展示会会場でも、実際に電話機を使用してデモを体験することが出来る。
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過去最高の注目の中で発表されたBest of bestの逸品

毎年、数百の出展社が、Interopで発表する数々の製品・サービス・ソリューションから、その年のテーマにふさわし、最高の一品を選出するのが"Best of Show Award"だ。例年は展示ホールで発表されるこのAwardだが、今年は幕張プリンスホテル、プリンスホールで催された、出展社パーティの中で授賞式が行われた。過去最高の大盛況の中、文字通り"Best of best"の逸品が、審査員から発表されるたびに、歓声があがった。


出展社パーティで開催されたため、大盛況のなかでの授賞式となった。

審査委員長の藤原洋氏(インターネット総合研究所 代表取締役所長 最高経営責任者)が、授賞式開会の挨拶をした。

今年のBest of Show Awardは、プロダクトアワード部門、ソリューション部門、Best of ShowNetデモンストレーション部門、Best of ShowNetプロダクト部門、ベンチャー部門の5部門を設定。中でも最高の製品に贈られるプロダクトアワード部門は、インフラ構築製品、アプライアンス関連製品、ネットワークセキュリティ製品など、16もの分野に分けられ、それぞれグランプリ、特別賞が表彰された。また、来場者の投票によって選ばれる「People's Choice」は、会期終了後にオフィシャルサイト上で発表される。

≫受賞製品はこちら

各部門の担当審査員から、盾が授与される。
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