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 急速な普及と共に、さまざまな活用が進むインターネット。国としても「e-Japan」「u-Japan」といった構想を打ち出し、さらなる情報化社会に向けた方策を取ろうとしている。ビジネスとして規模の拡大を見てきたネットワーク・情報通信業界は、異業種・他業種をも巻き込み、新たな展開を見せようとしているが、一方で克服すべき課題もさまざまだ。これから日本はどのようにインターネットと向き合い、歩みを進めていくべきなのか。情報通信の分野に10年来関わり続けてきた鈴木寛議員に、国の立場からお話いただいた。
――鈴木さんは、通産省時代は情報通信政策に携わり、その後慶應大学では環境情報学部で教鞭をとられていました。今は政治家として活躍されているわけですが、現在のインターネット環境をどのようにご覧になっているのでしょうか?

 インターネットの草創期には、「インターネットとは、哲学である」という考え方、魂と言ってもよいと思いますが、それが携わっている人たちの中に浸透していたと思います。これは振り返ってみると、「中央集権の哲学」から「自律分散協調の哲学」への転換を、インターネットそのものが具現化していたということでしょう。
 ところが、インフラが整備され、社会への普及度が上がるにともなって、かつては強く意識されていた「哲学である」という部分が薄れてきていると感じます。当初から活動してきた人たちを「第一世代」とするなら、NetWorld+Interopが歩んできた10年のうちに、「第二世代」「第三世代」という新たな世代の人たちが生まれてきました。その結果、ネットワークを取り巻くビジネスとしては大きく成長しましたが、一方で「自律分散協調」の魂は失われつつあります。

 NetWorld+Interopが11年目を迎え、新たな時代へ踏み出すことになる今年は、もう一度この「魂」を取り戻す必要があることを、強く言い直したいですね。
 インターネットによってもたらされるものは、産業の革命ではなく、社会の革命です。そのためには、高い志が必要なのだということを、改めて感じてほしいと思います。
――現在のインターネット環境は、国家の基盤として実用に堪えうるインフラとなってきた感があります。国側の取り組みについては、どのようにお考えでしょうか?

 今やビジネスの情報化は、市場のメカニズムに任せておけば自然と回っていくものだと思います。しかし、政府のほうはそうもいきません。
 私が地方政府や公共サービスの情報化に関する講演会などに出席させていただいてお話しするのは、ガバメントの「e」化(電子化)には、三つの段階があるということです。まず、ガバメントの内側の「e」化。これは内部の業務などにおける情報化です。次に、ガバメントと有権者の間での「e」化、つまり電子申請などに代表される市民サービス窓口業務の情報化です。現在は、ちょうどこの二つ目の段階にあると言えます。しかし、これは途中経過に過ぎません。
 最終的な「e-ガバメント」というものは、意思決定や政策形成が情報化されることにあると考えています。「Public Involvement」という言葉がありますが、ありとあらゆる種類の情報を集約する知的活動が「e」化され、市民が参加して政策を作り上げていく……という構図こそ、e-ガバメントが目指すべき姿ではないでしょうか。

 今、国家政策として進められている「e-Japan」や「u-Japan」といったものには、哲学が欠落しているように思います。ここで目指すべきは、情報インフラを普及させることそのものではないんですね。本来は手段であるはずのものが、目的になってしまっているのではないかという懸念があるわけです。
 人と人とをつなぐインターネットというツールが、時間と空間という制約を超える、新たな活用法を生み出しています。これによって、時間や空間的に某かのハンディキャップを負っている人でも、「いつでもどこでもコミュニケーションをとることが可能になる」というのが、本来のユビキタス社会の姿であるはずです。
 以前は、「PHP(Peace and Happiness through Prosperity)」と言われていましたが、今後は「PHC(Peace and Happiness through Communication)」の時代です。みんなが幸せになれるハイパーコミュニケーションソサエティを作るために、魂の入ったe-ガバメント/u-ソサエティ政策が望まれます。
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