| IPv6もいよいよ環境が整ってきて、普通の人があたりまえに使えるようになる日も近くなってきたようだ。
でも、そのIPv6で何をするのかというと、なかなかピンと来るものがない。森羅万象あらゆる電化製品同士がピアツーピアで結べるようになるっていうのは、マニアをだったらわくわくさせるんだけど、あんまり普通の人にはアピールがない。
そこで、外出先から冷蔵庫の中身がわかるとか、ビデオの予約が外からできるとかいう情報家電のスタイルが提案されている。それはそれで便利そうな気がするけど、でもそれだけのために冷蔵庫を買い変えるほどかっていうと、そうでもない。わたしなんかはまぬけだから、キャベツがあるのにキャベツを買ってきちゃうことがよくある。でも、それだけじゃIP冷蔵庫を買う気にはならない。それよりはキャベツ料理のレパートリーを増やしたほうがいい。
いや、IP冷蔵庫が決していらないって言っているわけじゃない。自分のところでIPv6環境が使えるようになって、そして冷蔵庫が壊れて買い変えなきゃいけなくなったとしたら、そりゃそういうのを買う。でも、冷蔵庫のためにIPv6にはしない。これはビデオでも一緒。
キラーコンテンツになるのはもっと違うものなんじゃないか。従来のものをリプレイスするよりは、全く新しいものの方が、家には入り込みやすい。なんか、そういうものはないだろうか。
そんなふうに思っているときに、「IP糸テレフォン」というのが出てきたのだ。おもちゃのタカラが発表したものなのだけど、IPv6を使った1対1の電話システムである。電話機2台が1セットになっていて、それぞれを別々の場所でインターネットにつなぐ。つまり、電源を入れてイーサネットケーブルを差し込むわけだ。それで自動的にネゴシエーションが行われて、お互いがピアツーピアで結ばれて、話ができるようになる。それだけ。
つながるのはその相手とだけで、他の人にかけることはできない。スイッチを切ることはできるけど、基本的にはつながりっぱなし。まさに「糸電話」。映像もない。IPv6を使っておきながら、やることはこれだけってのがすがすがしい。
年内の発売を予定なんだそうだけど、これは欲しい気がする。「ユビキタス」で「生活に役立つ」ものより、プライベートで役に立たないただのおしゃべりのほうが身近でうれしかったりするのだ。こういうのがIPv6を普及させる力になるんじゃないかな。 |