ICOCAとSuica

最終更新日 2007.12.17 21:18


・このドキュメントは、原則、JR西日本で行ったのを前提としております。
・JR東日本で利用可能なエリアをJR首都圏・仙台、JR西日本で利用可能なエリアをJR近畿 と記載しております。

Felicaの技術を使用

二枚重ね エラー

2003年11月1日よりJR西日本でICOCAが利用可能になった。その為、非接触ICカードについて調べてみた。 まず、この非接触ICカードは、Felica(フェリカ)の技術を使用している。FelicaとはSONYが開発した技術であり、非接触ICカード方式である。ICOCAの「タッチ&ゴー」というキャッチフレーズの通り、ICカードをセンサーにかざすだけで使える。しかし、これには欠点があり、Felicaの技術を採用しているカードやその他ICチップの入ったカードを2枚以上重ねると、枚数超過となり、エラーになる。その為、ICカード(Suica/ICOCA/eLIO/PiTaPa/Sony社員カード)等重ねては利用出来ないので要注意である。また、その他の非接触ICカードでも同様に重ねるとエラーになる可能性がある。調べた限りでは、筑波大学の学生証、ICカードを採用している社員証などがある。尚、Edy及びせたまる回数券に関しては、重ねてもエラーにはならなかったが、Edy読み取り機(対応店舗にて)でSuica若しくはICOCAを重ねると、エラーになった。

非接触ICカード方式(ディジタル管理)を採用することによるメリットは大きく3つある。

  • 定期入れ・切符入れから出す手間が省けるため時間の短縮  
  • 直接磁気データを読まないため、切符が詰まったり駆動部分の故障が発生しない。  
  • 紛失・破損時、再発行が可能になる。

この辺の詳細は、 Felica - しいしせねっとに詳細なレポートがある。

枚数超過(複数枚のICカード)

ICOCA/Suica の場合、二枚重ね以上重ねた場合のエラーは、「仕様」となる。なぜ、仕様かというと相互乗り入れが出来るとなると、「どのカードで精算すべきか、機械は判断できない」からである。もし、勝手に判断し、精算を行ってしまうと、トラブルの元になる可能性があるため、初めから「許可しない」と考えられる。しかし、ICOCA/Suica定期+ICOCA/Suicaの場合はどうなるのだろう?これはEdy同様「欠点」であると考えられる。

関連(JR西日本 | JR東日本)

ICOCAとSuica相互利用

2004年8月1日よりJR東西で相互乗り入れが出来るようになった。おかげで、非常に便利になり、SuicaをJR近畿で、ICOCAをJR首都圏・仙台で使用できるようになった。相互に利用してみた結果をレポートしてみる事にする。しかし、私は関西在住のため、Suicaを近畿圏で使用してみた事に関してのみである。

相互利用になる前は?

結論として、「このカードはご利用になれません」とエラーが返されます。

Suicaを西日本で利用 エラーメッセージ

利用明細の印刷

suicaを西日本で印字

JR首都圏(仙台)で乗車したSuica/ICOCAをJR近畿で印刷してみたところ、JR首都圏・仙台にある駅名を表示・印字されず、「JR東」だけで済まされてしまう。次に、JR近畿の精算機での出力は最新20件分しか出力出来ない。JR首都圏・仙台で出力を行うと、最終の印字された以降の記録が出力されるようですね。これは、不便。何とか改善して欲しいものだ。

関連(JR西日本 | JR東日本)

ICOCAとSuicaの違い

精算機@チャージ

2004年8月1日よりカードによる違いは特に無い。どちらでも相互で利用出来るようになっている。

  • JR近畿 入場記録を先に記録。退場時に精算。すなわち残高が10円しか無くとも入場が可能
  • JR首都圏・仙台 入場記録と同時に初乗り分精算される。すなわち、初乗り分の残高が無ければ入場出来ない。

Suica/ICOCAの精算の罠

suicaを西日本で印字

1枚目のICカードの残額が20円、2枚目のICカードの残額が1000円以上あったと仮定する。その場合、1枚目のICカードで入場を行うが、退場を行う際、残高不足で退場が出来ない。その場合、精算機でチャージを行えば退場出来るが、2枚目のICカードで精算を行いたい場合、どうすれば良いだろうか?

Jスルーカードの場合、残高が不足すれば、もう一枚のJスルーカードないし現金で精算出来るだろう。最近で有れば、Jスルーカードを二枚入れれば、同時に繰り越しをしてくれる。そして、それと同様のことをICカードで行おうとしたが、精算機を使用した場合、ICカードがロックされ、チャージ(現金)しか受け付けない。また、改札口を通る際、先程述べたように複数枚は利用できない。このような場合は、有人改札を使用し、駅員に精算して貰うしか無いのである。

非常に不便である。何とかならない物だろうか?

って、こんな事をするのは私ぐらいだろうか...

記念ICOCA

記念ICOCA
icocaケース

ICOCA⇔Suica 相互乗り入れ記念ICOCA

限定5万枚販売。3枚げとずさー。

あと、専用の紙ケースと鉛筆を頂いた。

払い戻し

ICOCA/Suicaの購入金額は2000円。内500円はデポジットで実際に使用できるのは1500円である。このデポジット500円というのは、ICカードそのものの掛け金であり、紛失した場合、カードそのものの実費と考える事が出来る。すなわち、緑の窓口で払い戻しや返却を行えば、500円のデポジットは戻ってくる事になる。

しかし、払い戻しを行う際、注意点があり、ICカードの中に残高が残っている場合、210円の手数料が発生する。尚、210円未満の場合は、相殺され、デポジットの500円だけしか戻ってこない。

関連(JR西日本 | JR東日本)

再発行

再発行の際、公的身分証明書が必要になる。

JR西日本の場合

再発行手数料 500円、デポジット500円。合計1000円必要
氏名・生年月日・性別・電話番号が必要

JR東日本の場合

再発行手数料 1000円、デポジット500円。合計1500円必要
氏名・生年月日・性別が必要

なぜ、手数料に差があるのだろうか。疑問である。

関連(JR西日本 | JR東日本)

非接触ICカードの危険性

高木浩光@茨城県つくば市 の日記でも述べられているとおり、Felica式のICカードを扱えるカードリーダ内蔵の端末(CLIE PEG-NZ90)及び、ICカードリード/ライターのPaSoRiを使用した場合である。例えば、非接触型と言うことは、カバン、財布の中に入っている状態でもCLIE等をかざすことによりデータを読みとることが可能である。すなわち、第三者のカードにコッソリとかざし、データを読みとることが出来てしまうと言う危険性がある。この危険性は、JR側により広告されていないのである。

現実的に満員電車の中PaSoRiをかざすのは怪しいし、難しいだろう。しかし、CLIE位のPDAだと、実質可能であると考えられる。

関連: FeliCa(フェリカ)のパソコン用リーダ/ライタ「PaSoRi(パソリ)」

気になる点(未調査)

定期の場合、どのタイミングで入退場の記録や残高をデータベースに転送しているのだろうかという疑問点がある。定期の場合、紛失時・破損時に再発行が可能だが、ICOCA/Suica にチャージされたプリペイドカード分も戻ってくるという事。その際の記録をJR側で行っていないと、再発行が出来ないはずである。すなわち、JR側でデータベースに記録していると考えられる。しかし、どのタイミングで入退場の記録や残高をデータベースに書き出しているか、疑問に思ったのである。仮に、通勤・通学ラッシュ時にデータベースに書き出しを行った場合、データベースシステムは過負荷状態でダウンしてしまうだろうと容易に予想が付くからである。すなわち、一定の間隔でまとめて駅から中央のデータベースにcommitしていると予想される。

このへんの情報をお持ちの方が居られましたらご一報くださいませ。

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